CROSS横浜2017【エンジニアの趣味と働きやすさ】セッションまとめ #cross2017a

※発言内容は要約、読みやすくするため、内容に差し支えない程度での変更が加えられています。もし本記事に問題があるようでしたら弊社までご連絡下さい。


株式会社Beautiful Worksです!
ITに関する様々な話題が提供されるIT関連勉強会のCross横浜に弊社も参加して参りました!

https://twitter.com/so_zaneli/status/906069670557474816

小さくBeautifulWorksも載っているので探してみて下さい!

今回はそのなかで、BeautifulWorksの事業にも関連するHR関連のセッションを聞いて参りましたので、ブログにまとめたいと思います。

Cross横浜 2017
エンジニアの趣味と仕事と働きやすさ #cross2017a
14:10-15:30 @A会場
http://2017.cross-party.com/program/a3


セッションオーナー

田中 邦裕さん(以下、田中)

さくらインターネット 代表取締役社長
1996年にapache.or.jpを立ち上げて、Apacheの日本語翻訳やML運営の手伝い、パッチの送付など黎明期のWeb系オープンソースにかかわりつつ、さくらインターネットを創業。 現在は社長業をしながら社内の開発の手伝いをしたり、オープンソース系のイベントに登壇したりしつつ、社業以外ではアニメのロゴジェネレータを作るなどWebサービスを開発中。 趣味はプログラミングと旅行、アニメ観賞など。

スピーカー

神林 飛志さん(以下、神林)

株式会社ノーチラス・テクノロジーズ
M&A専業やったり、小売でCIOやって基幹系システムのコード書いたり、ITコンサル行って人売りやったり、受発注のミドル作って売ったり、Hadoopで業務アプリ書くためのAsakusaっていうフレームワーク開発したり売ったり、作ったITベンチャーで(女問題で)社長に出奔されたり、あれこれしたりしている内に現在にたどり着いています。 趣味はTransactions理論とか分散処理とか、まだ人類にはちょっと早いんじゃないの?っていう感じのテクノロジーです。 座右の銘は「急がば回れ、選ぶなら近道」。割と最近、まともな文章が書けなくなって困ってます。
※本日は足を骨折されたそうで、松葉杖にギプス姿で登壇されていました。

田籠 聡さん(以下、田籠)

トレジャーデータ株式会社 ソフトウェアエンジニア
トレジャーデータ株式会社所属のソフトウェアエンジニアとして社内ではHadoopを主としたデータ処理システムの改善を行う。またオープンソースソフトウェアのコミッタ、メンテナとしても各種のソフトウェアの開発を実施している。


『この2年間でお給料があがった人は?』
この質問からスタートした本セッション。
会場では半分以上の手が上がり、IT業界の景気の良さを表現しているようでした。

神林:そうなんですよ。やっぱ値段があがってんですよね。
(中略)(値段が)取れる人と、取れない人の差が、ガッっと開いた気がしますね。

『働きがいを感じてる方はどれくらいいますか?』
これも半分以上の手が上がりました。
『会社の制度が大きく変わったという人は?』
これはほとんど手が上がりませんでした。

田中:これってどういうことだと思いますか?

神林:要するに働きがいと会社の制度って関係ないってことじゃないですかね


本セッションの中で、私が注目したのはスタートアップに関するお話。
Beautiful Works もスタートアップです。

田中:スタートアップってこれから大変だと思うんですよね。これから人を雇うってなると。
さくらは21年前に起業して、超不景気だったんですよね。(中略)今だと、アルバイトの最低賃金が1000円を超えそうなところですから、(中略)
メルカリさんって、ギリギリセーフだったと思うんです。いまメルカリさんできてたら人取れなかったんだと思うんです。

田籠:日本の起業って、運転資金をどうにか調達しながらまわしていくっていう方法になるんだと思うんですが、
たぶんメルカリさんとかはいわゆるスタートアップのやり方、初期の投資をガッと集めてやるって言う方法をとってると思うので、そうでないと特にテクノロジーに寄った会社を作っていくのは難しいんじゃないかと思います。

神林:やっぱり金を集める能力がないとだめになったんじゃないかと思いますね。
(中略)あがってんのは、金集めたところですよね。(中略)できるだけ金を集めて、できるだけ良い人間を集めてくるっていうビジネスじゃないと出来ない気がしますね。いい人間を2,3人あつめて、一発勝負、金はないけど志はある、みたいなやり方は出来なくなってきてる印象ですね。

神林:でもスタートアップは資金調達しやすい環境にあるんじゃないですかね。
そういうお客さんもいるんですけど、全然人取れないし、仕事はもう断るくらいだと。

田中:お金は集めようと思ったら集められるんで、資金調達能力がある経営者がスタートアップではかなり重要なのかな、という気がしますよね。

田籠:働く側の環境として、資金調達をうまくやっている会社って、外から見てる印象でも、安定しているというか、理性的というか、情熱だけで突っ走るんじゃなくて、計画があって資金調達をしないといけないということになっているので、暴走しにくいんじゃ内科という気がしていて。
働く側としては安心して働ける気がありますね。

田籠:例えばベンjチャーキャピタルからお金を集めるときに、どうやって利益をあげて、どうやってエグジットしていくっていう計画があって、そういう将来が見えた状態で、自分たちも働くことになると、こうやっていくんだ、というのが見えているので、不安なく安心して働けるのかなっていう気はします。

田中:資金調達がしやすくなっているのは間違いないんですね。
なぜかっていうと大企業さんが内部留保をだいぶしているっていう話がありますけど、投資をしたいけど失敗したら困るからできないんですね。
コーポレートキャピタルを作って、スタートアップにお金出そう!みたいな会社はたくさんあるんで、適当なビジネスプランを作っていってもお金は出してくれるんで。
プレゼン命なんですよね。

というお話でした。
BeautifulWorksはまさに、ベンチャーキャピタルにも頼らず自分たちだけで立ち上げた会社なので、非常にこのお話は耳が痛い(笑)
少しずつビジネスの回転数をあげていくのではなく、やはりガツンと資金調達して拡大を狙った方が良いのでしょうか。今後の参考になるお話でした。


続いて、転職に関するお話。
『今転職をする場合のインセンティブは?』

田中:前回の時にLINE辞めたばっかりだったじゃないですか。インセンティブはなんだったんですか?

田籠:やはりビジネス規模が拡大しているっていうのはすごくあって、これはちょいちょい知り合い話題になるんですけど、会社が上向いていると働いていても気持ちが良い、みたいな。

田中:あー

田籠:やっぱりビジネスマンとしてもおもしろい、というのもありますし、新しい人が入ってくるとか、新しいことをする機会とか、やはりその拡大基調にある会社では、なかなか人が辞めないし。

田籠:会社が成長している、という実感は大事だと思います。

神林:成長していると気分がいいというのは確かなので、「居る」っていうインセンティブとしては確かにあると思うんですけど、「移る」ってことを考えたときは、一番大きいのはお金だと思いますね。
自分の所に1200万のオファーが来たと。それでなんか働きにくいな、と思ったらそっちに移るというのは普通だと思います。
前だと、それでも少し頑張ろうか、というのはあったと思うんですが、今はそこに1.5倍とかのオファーが来ると、転職っていうインセンティブはやはり強くなってるし、やはりそれは正しいと思うんですよね。
先がわからないとすれば、5年先の1000万円より、今の900万円を取りたくなるのは当たり前なので、(中略)転職のインセンティブとしてはそっちになっている気がしますね。

田中:売り手市場になっているので、市場価値があがりやすいと。その人の質は一緒でも値段が上がっているというのはあると思うんですよね。
企業としては『あまり高値づかみしちゃって、そのまま使えなかったらどうするんだ問題』が常にあると思うんですよね。
それでも高値づかみしていくもんなんですよね。
企業としても、今は人が足りないので、(給与面で)高づかみしないといけない。
LINEが好調だったときに、だいぶエンジニアが転職していきましたが、そのときのインセンティブはやはりお金だったと思います。
それと、会社が上向いているときはやはり働いていてもおもしろいと、そういうのもあるのでしょう。

「成長している実感」も大事ですが、でも、お金も大事。
と、皆さん転職のインセンティブとして『お金が大事』という結論にたどり着きました。

やりがいや成長性などいろいろ要素はあるのでしょうが、エンジニアが売り手市場である今、お金のインセンティブが他より優先されがちということなのでしょう。


田中:何がしたいか?と何ができるか?って少し違うじゃないですか。でもレジュメは「何ができるか」が9割で、「何がしたいか」は5行くらいじゃないですか。
そうすると神林さんのところは何を重視するんですか?

神林:うちの会社は、少数精鋭でやりたいんで、何がやりたいかは自分で考えてねって風にしてます。
良くも悪くも、自由裁量が今までの会社で一番大きな会社なので、良くも悪くもどうしていいかわからんって言われます。
自分で動ける人と一緒にやっていきたいなって思います。

田中:2年前も同じメンバーでセッションをやったのですが、そのときは『勉強しないと行けない』が結論でしたよね。

神林:やっぱ勉強が難しくなってきていると思いますね。ここ2,3年。
僕はいまずっとデータベースを追いかけているので、格段に難しくなりました。
ここ2,3年でもう比較にならないくらい大変なことになっているので、そこに追いついている日本人がどれくらいいるかっていうと、僕はきわめて疑問。

田中:まわりの社員のレベルが高ければ自分もレベルがあがるし、レベルの高い成長している人たちと一緒にやれば成長するのかな、って気もしますけどね。

神林:あーそれはもちろんありますね。でも今は会社を超えて、というのが普通にあるんですね。

『勉強は大事』。これは言われるまでもないことですが、なかなか実践できている人は多くは内のではないでしょうか。


田中:ところで給与は何に対して払われると思いますか?

神林:アウトプットに対して、でしょう

田籠:『期待される』アウトプットですかね、うちの会社においてはですけど。

田中:じゃあお給料を上げるにはどうしたらいいと思います?

神林:転職が一番簡単で早くて手っ取り早いと思います。でもそのときに勉強とスキルセットの向上がいる。特にトレンドの最新の技術を身につけて食っていくっていうのが一番早いですよね。

田籠:流行り物の技術をある程度やるっていうのは、なんかちょっと、僕はあんまり好きじゃなくて。なんかミーハーっぽくて嫌だだなと思ってたんですが、考えが変わりまして。
流行り物をちゃんと実装するって言うのは、流行ってから今までの短い時間で、ちゃんと他の人に「これはすごいな」って思えるすごいものを作れる学習能力の高さと、開発の瞬発能力の高さを示せるんだなって思いまして。

田籠:いっても、AIだとか本当にやりはじめて、(中略)コンピューター雑誌で特集が組まれるようになったのって最近じゃないですか。そうなってから今までの間に、ある程度まとまった実装がちゃんと出来るって言うのは、単純にそれはまた別に技術のトレンドが変わっても、その人はそれについていける学習能力を示している可能性があると思うようになりましたね。

田中:でも、よく面接なんかで、『どの技術ができればいいんですか?』とか言ってくる人がいるんですが、そういう人はそういうこと言ってる時点で就職できないよって思いますね。
でも前回の結論も結局それでしたよね。

お給料のUPには、やはり自分自身の成長が大切ということでした。頑張らないといけませんね。
しかし勉強する時間なんてない!という方には

田籠:まずは他の事ができる体制をガチッと作ることですね

との発言もあり、やはりまずは自分でどうにかして勉強する体制を作らないといけないということでした。


田中:趣味ってなんですか?

神林:僕は山ですね。先日、山で転落しまして足首を骨折しました。

田中:仕事とは関係しますか?

神林:やはりモチベーションコントロールですね。僕は代表なのでやはりストレスがたまるんですよ。そのたまったストレスをうわーってどこかで発散しないといけないので、山でクライミングにぶつけてますね。
クライミングは落ちると死にますし危ないので、命がけですから会社のこととか考えられないです。
余計なこと忘れますね。嫌なこととか忘れたかったら、命がけのことをやるといいですね。僕にとってはその瞬間は貴重です!

田中:落ちて命があって良かったですね。田籠さん趣味は?

田籠:自転車やってます!
僕は大学生の頃から自転車やってるんですけど、これは20代のころにSIやってた時、ストレスたまるじゃないですか。そういうときに週末、自転車で山の方に行くと、完全にさっきの話と同じなんですけど、何も考えずにひたすら6時間ペダルをこぎ続ける、みたいになって。これは良かったですね。
それから転職して、ストレスは感じなくなったんですけど、また山にいくとですね、ペダルをこいでいる間にビカビカビカ!とあたらしいソフトウェアの設計がひらめくんですね。でも山頂までの2時間くらいメモはとれないじゃないですか。だから半分くらい忘れるんですけど、忘れるようなアイデアはきっとたいしたことなかった。


田籠:それで頭に残ったアイデアがOSSになって、いろんな人に使われたりするので、頭をからっぽにする趣味は良い面がたくさんあると僕は思ってます。

田中:ちなみに神林さん、登ってるときにソフトウェアのコードは振ってこないですよね?

神林:そんなの全然ないですよ! そんなの死にますよ! まじで!

田中:私もダイビングするんですけどね。(中略)頭からっぽにする趣味っていいですよ。

田中:自転車こいでるときとか、山登ってるときとか、海潜ってるときにできないのってスマホじゃないですか。
ネットが一切出来ないっていうことは、日常から離れられるのでいいんじゃないかなって思うんですが。

神林:そうですね… でもGPS届かないと山で迷ったとき死ぬんで。でも他は切ってますよね。電池がなくなっちゃうとあれなので。
でもスマホ見てるってのはありえないですね。クライミングの最中で。絶対ないですね。それだけはありえないです。

ちょいちょい生きるか死ぬか基準でコメントを入れる神林さん。会場からも笑いが出ていました。


『趣味が仕事に生きていると思う面は?』

神林:クライミングって、気持ちが7割なんですよ。体力が足らなくても、気持ちが上向いているとなぜか登れちゃう。ところが、前登れたのに今は登れないっていうのは普通にありえるんですね。だからセルフモチベーションをどう維持するかっていうのは大切な競技なんですね。

田籠:自転車やってると、20代の頃1時間半で上れた坂を、2時間かかるとか、あるんですよ。(中略)これは明らかにわかりやすく出来なかったはずのことができるようになるとか、あるいはさぼっていてできなくなるとか、きわめてわかりやすい。自分にはできなかったことをストレートに受け止める、何かサボると一発で失敗するとか、そういうのをストレートに見るっていう精神が鍛えられる感じはします。

メンタルトレーニングに役立っているというコメントでした。


まとめとしては、現在は売り手市場のエンジニアにおいて、給与UPのための転職は肯定的でした。
それと同時に、人を雇う企業側にも、成長機会の提供や働きやすい環境が求められると言うことです。

BeautifulWorksは受託案件の仕事も行っていますが、良いエンジニアのお給料が上がっていると同時に、WEB制作などの市場単価は下がっている印象…
今後いかに企業としてパワーアップしていくか、非常に悩ましいところです。

会社の方向性に関しても示唆してくれるような有意義なセッションでした。ありがとうございました!

About the author: BW