スタートアップを支える、入社一人目のエンジニアの想い|エンジニア採用担当者が読みたくなる職務経歴書のポイントは?|トップエンジニアたちの最先端キャリアに触れて学ぶ☆CodeIQ感謝祭 #codeiq39

9月16日開催のcodeIq感謝祭に弊社スタッフも参加して参りました!

今回はこちらのセッションの内容レポートです!
今回も参加されたみなさんのTweetとともにお送りします!

(内容に関しては読みやすく語尾などを変更、または発言内容を要約している場合があります。問題がございましたら弊社までご連絡下さい)

  スタートアップを支える、入社一人目のエンジニアの想い

続いては、増井雄一郎さんをファシリテーターに、アナログな業界・サービスを技術で利便化させるべく立ち上げたスタートアップ企業、経営者を支える「入社一人目のエンジニア」たちのパネルディスカッション。入社を決意した理由、どのようなサービスを提供しているか、予想できなかった苦労や挫折、それを乗り越えられたのはなぜか、などを語り合っていただきます。


☆登壇者プロフィール

株式会社トレタ CTO 増井雄一郎さん(以下、増井)
Ajax、Ruby on Railsなどを使ったWebアプリ開発や執筆で活躍するギークエンジニア。08年に渡米し、中島聡氏とともに起業。2010年に帰国し、Appceleratorの「Titanium Mobile」エバンジェリストとして活躍。2012年9月に退職しFrogApps, Inc(現 miil, Inc)にて「ミイル」を立ち上げる。「MobiRuby」「wri.pe」などの開発者、「風呂グラマー」としてもお馴染み。

 

ユリシーズ株式会社 三宅 裕さん(以下、三宅)
1991年、岡山県生まれ。コンタクトセンター向けのパッケージソフト開発、人事部向けのSaasの開発を経て、ユリシーズにJoin。プロダクトサイド全般を担当。

 

 

dely株式会社 取締役/CTO 大竹 雅登さん(以下、大竹)
2014年、慶應義塾大学在学中にdelyのCTOに就任。数回のピボットを経て、2016年1月よりレシピ動画サービス「クラシル」を運営。CTOとして開発を牽引したレシピ動画アプリ「クラシル」が、Google Play ベスト オブ 2016「ベスト自己改善アプリ賞」、App Ape Award 2016「スタートアップアプリ賞」を受賞するなど、昨年5月のリリースから約1年半で国内最大のレシピ動画サービスとして成長させた。


実は実は、登壇のあとの懇親会で増井さんに名刺渡して来ちゃいましたよーわっほい!
(いつも弊社代表がお世話になっております)

増井『僕ね、windowsの使い方わからないんですよwww』
WindowsのPCでスライドがめくれない増井さんの一言から本セッションはスタートしました!


三宅さん、大竹さんとも、ベンチャー企業に入社したひとりめエンジニア

https://twitter.com/llminatoll/status/908943372479430656

『ベンチャーCEOとの繋がりは? -dely大竹さんの場合-』

dely 大竹さんは、代表の堀井さんからSNSで連絡が来て、すぐにビジネスにジョインし始めたとのこと。つまり『ひとりめエンジニア』だったそうです。
最初はdelyという名の示すとおり、フードデリバリーサービスをやろうとしていたそうです。(今で言うU●erEATSみたいな)
その後、現在の別事業にピポッド(方向転換)し、その際にまたエンジニアが全員退職し、2度目の『ひとりめエンジニア』になったそう。

『どうしてひとりめのエンジニアになったのか? -dely大竹さんの場合-』

SNSで連絡が来たとき、大竹さんはちょうどご自身の事業を終わらせた後で、経営面の難しさを感じていたそうです。
そのときに、自分と違う特徴のあるCEOが現れ、しかも経営面を担ってくれると言うことで興味持たれたそうです。

その際に、CEOを信用できたポイントは
・ビジネスモデルを詳細に説明してくれた
・嘘をつかない人だなと思った
・根性系だと思った
・情報開示をしてくれて、信頼できそうだと思った
話してみて、第一印象でその日のうちに働くことを決めたそうです。そして、その印象はその後も変わってないとのこと。
良い話ですね!

『ベンチャーCEOとの繋がりは? -ユリシーズ三宅さんの場合-』

三宅さんは当時、勤めていたスタートアップの事業が収束に向かっていました。
「次はビジネスにも関われるような働き方をしたい」
そんなとき、ユリシーズのCEOがwantedlyに出していた求人が目に入り、すぐ応募したそうです。そのときなんと、ユリシーズは起業して5日目! なんだか運命を感じます。

『どうしてひとりめのエンジニアになったのか? -ユリシーズ三宅さんの場合-』

・次はビジネスにも関わりたいので、立ち上がったばかりのスタートアップという環境は魅力だった
・社長ひとりでやっているというのが良かった
・「食品工場のシステム化」という誰もやってないビジネスモデルだった
・単純に合う人だなと思った
・「この人となら成功するまで何度でもやれる」と感じた

最後の「この人となら成功するまで何度でもやれる」
この印象は強いですね!やはりCEO選びは人柄が一番という点で、おふたりとも一致しています。

実際、ユリシーズは「起業して9ヶ月だがすでに何度かピポッドしている」そうですが、そのたびに三宅さんは再挑戦を繰り返しているそうです。

『CEOはコードやエンジニアリングに強いかどうか?-ユリシーズ三宅さんの場合-』

三宅「いや、かけないですね」
増井「そうすると、CEOが描くビジネスプランに対して、作れるものと作れないものが出てきますよね。そういう理想と現実のギャップはどう対処していますか?」

そう言ってスライドに映し出されたのは、ユリシーズの事業プランのメモ。あちこちに線が伸び、工場の温度管理からHRまで、ぐちゃぐちゃといろいろな事が書き込まれている。

三宅「このノートみてもらえばわかりますかね?」

増井「わからない(断言)」

「スタートアップあるある」らしいのだが、CEOはだいたいテンションが高く、事業プランにいろんな夢や理想が盛り込まれてしまう。その結果がこのぐちゃぐちゃのビジネスプラン。
つまり、どこかに優先順位を付けなければいけないのだが…

三宅「この中で、『やっぱり温度管理が一番』だよね、ということで、社長が理想を描いて、僕が実現していくという形になっています」

『delyがクラシルを始めるまでの様子は?』

delyがもともと考えていたフードデリバリーサービスは難しいとわかっており、最終的にピポッドすることになったが、それはそんなに落ち込んではいなかったそうです。

ピポッドしたdelyは、次はオウンドメディアを作っていました。メディア事業は、エンジニアリングとしてはそんなに難しくないため、エンジニアのモチベーションも下がりやすく、毎月数人辞めていきました。

増井「なぜ心が折れなかったんですか?」
大竹「正直そんなにリスクはないと思ったんです」

もともと一緒にやろうと言っていたCEOと大竹さん、今が頑張り時だと思ったそうです。
しかし、たったふたりで半年目くらいは厳しかったらしく、大竹さんは知人に何度も相談し、どうにかメンタルを維持していたとのことです。

大竹「2015年はまるまる伸びないサービスでした。2016年はやらなきゃいけなかった」

そのとき、今動画がきているぞ、と。そこでスマホで、フライパンを出して謎の料理を作った動画を公開したそうです。その動画にはいいね!がたくさんつき、いきなり今まで投資していたものを全てやめて、2016年は全部を動画に注ぎ込むことに。

大竹「3ヶ月で芽が出なかったらやめる勢いで、スピード重視で全部つっこみました」

その結果が今のクラシルだそうです。このあたりの思い切りというか判断力は、大竹さんのCEOを「行動力がある」と判断した目に間違いがなかったということでしょうね。

『今後はどうしていきたいか?-ユリシーズ三宅さんの場合-』

三宅「ビジネスを推し進める方向でいきたいので、プロダクトマネージャーがイメージに近いかなと」
増井「そのためにはエンジニア採用していかないとですね」
増井「ちなみにお昼ご飯はどうしてるの?」

ユリシーズは神田の西口商店街の雑居ビルにあるそうですが、商店街で手近なラーメン屋に入ったりしているそうです。

増井「誰かのエッセイに、ラーメンが毎食食べられるだけ稼いで頑張れってありますけど、それみたいですね」

『今後はどうしていきたいか?-dely大竹さんの場合-』

大竹「ひとりめエンジニアの時はキャリアは考えてなかったです。うまくいかなかったら今後もなにもありませんから。とにかく最速でリリースするってことだけです」

クラシルでとりあえず起動にのったdely。

大竹「自分のおおもとのモチベーションは『iphone4』ですごく感動したんです。こういうプロダクトは自分だけでは実現できない」

今後は、チームの力を伸ばしたいので、今後大竹さんはマネジメントの側に興味が有るそうです。

増井「スーパーエンジニア指向ではないんですね?」
大竹「自分は、コード思考でなく、プロダクト思考なのかなと思います」

採用の時も、経営全体をみて自分がエンジニアとして加わった方がうまくいくからエンジニアをやる、というプロダクト指向、サービス指向の人を採用する傾向にあるそうです。

大竹「プロダクトがないときに、仮説が好きすぎる人は向いていない」
最速でリリースしなければならないときに、コードの美しさや技術力にこだわっている場合ではない!ってことですね。

『ひとりめエンジニアとして誘われたら?-dely大竹さんの場合-』

dely大竹さんは、CEOを選んだポイントで、「うそをつかない」を強く共闘していました。
『なにもない状態での構想、資金調達など、情報開示をちゃんとしてくれた。人として信用できた。言ったらなんでも教えてくれる』このようなCEOの姿勢が重要だったと言います。

その他にCEOを見極めるポイントとして
・行動力がある人。おもいついたらすぐ行動できる
・仮説を立てたらすぐにそれを検証しに行ける人
・嘘を一瞬でもつかない人
・自分にないスキルがあって補完しあえるひと

それと同時に、ひとりめエンジニアにも
・CEOがやってるから知らなくても良いという姿勢はだめ。自分からどんどん知りに行くくらいの姿勢で、相互に理解していくことが必要

と述べていました。

増井「僕もトレタを作って1年目くらいは心がけていたことがありました。投資家に聞かれたときに、CEOと同じことが説明できるようにわからないことは聞いたり、同じ事ができるようにしたりました」

CEOとひとりめエンジニアの二人三脚が良い形で実現できることが重要と言うことですね。

『ひとりめエンジニアとして誘われたら?-ユリシーズ三宅さnの場合-』

三宅さんも「ほとんど言われちゃいましたね」と前置きした上で

・行動力があること。連絡が早い人は行動力があると見分ける1つのポイントになる
・嘘偽りなくちゃんと情報開示してくれること。

とおっしゃっていました。

『CEOと良い関係を築くには?-ユリシーズ三宅さんの場合-』

増井「人を信用するのも難しいですけど、信用されるのも難しいですよね。自分はどうして信用されたと思いますか?」
三宅「お客さんにプロダクトを『これはいらないね』と言われて、心がばきばきに折られてピポッドしたことがあります。そのときに、CEOがやるならやります!という覚悟が見せれたことが大きかったと思います。

『CEOと良い関係を築くには?-dely大竹さんの場合-』

通常、IT系のビジネスはプロダクトが出来るまではエンジニアだけが頑張っていて、その後から他の業務が発生してくるが、delyのCEOはプロダクト出来る前に話だけで営業をさせてきたり、その他資金調達、雑務なども頑張っていたそうです。
社長がこれだけ頑張っている会社だからこそのポイントだと思いますが、

最初のコミットメント量があわないとだめ
リモートは辞めた方が良い。何もやってなくても良いが同じ空間にいることが大事。朝早く集まって、もっと言うなら一緒に朝飯食うくらいでもいい
朝起きてきてる、っていうのが超重要

そして最終的には、

大竹「社長の期待パフォーマンスを上回ることです。なるべく常に期待値を超えていく。もしくはほんとに初期だけでも」

これは確かにスキル面での信用を得るには良いと思いますが、先が辛いですよね…

『誘われたときに気をつけるCEOとはどんな人?』

 

大竹「基本的にマイナスでみたほうがいいです」
と、最初から信用すべきではないと前置きしつつ、

・儲かりますよ!って言ってくる人はシカト
・地に足着いてない人は辞めた方が良い
・はやりものに乗ろうとしている人はやめたほうがいい 例:IoTとかVRとか
・自分の原体験に基づいたプロダクトを計画している人が良い

どういうことでおふたりとも意見が一致しました。やはりビジネスパートナーは人柄で選ぶことが大事、という結論に達したように思います。


個人的にはトレタ増井さんのお話しももっと聞きたかったな、と思いつつ。
スタートアップ、特に収益化が未確定な状態でのビジネスは面白いけど、問題も多いですよね。そして個人的にはメンタル管理がすごく難しいだろうなと思います。
腕の良いエンジニアさんならフリーランスでもそこそこ稼げるところを、スタートアップに引き込めるというのはそれだけのビジネスに対する魅力と、CEOの人間的魅力が大切なのかなと思いました。

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